生命現象にとって重要な水や低分子量液体、高分子、生体関連分子は、固体物理学的アプローチが適用できない物質群、いわゆる複雑系物質として取り扱われる。従来のアプローチを用いて、複雑系物質の動的構造を理解することは、極めて困難である。分子物性研究グループ(RGMS)では、これまでに様々な周波数帯の複素誘電率を測定できるシステムの開発を行ってきた。これらの測定手法は、水などの速い運動から、ガラス転移に関係した遅い運動までの観測が可能である。RGMSでは、生体系を含む分子複雑系物質の構造や性質・機能について、その分子レベルの動的構造から発現メカニズムを解明することを目的としている。

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RGMSの変遷